Microsoft アカウントを作成すべきか

Microsoft アカウントを作成すべきか
Windows10 にログインする際、ユーザーアカウントが必要です。初期設定では、Microsoft アカウントを訊かれますが、じつは Microsoft アカウントがなくても、ローカルユーザー登録をすれば、ログインできます。だからといって、Microsoft アカウントは作成する必要はないのでしょうか?

Microsoft アカウントとは

そもそも Microsoft アカウントとは、Microsoft 社が自社製品・サービスのユーザー管理をユーザー1人につき1つのアカウントで行うために、Windows8 以降始めたユーザーアカウントです。
これまでも、Microsoft 社は製品・サービスを通して、さまざまなユーザー情報を収集してきましたが、登録ID が別々だったために、バラバラの状態にあったものと思われます。これが Microsoft アカウントによって1つのアカウントに紐づけられるということのようです。

Microsoft が収集するユーザー情報

では、Microsoft が収集するユーザー情報とはどのようなものなのでしょうか? 「Microsoft が収集する個人情報」から項目をピックアップします。

  1. 氏名および連絡先データ
  2. 認証情報
  3. 人口統計データ (ユーザーの年齢、性別、国、希望言語などのデータ)
  4. お支払い情報
  5. サブスクリプションとライセンス データ
  6. 対話式操作
    1. デバイスと使用状況に関するデータ
      1. お支払いとアカウントの履歴
      2. 閲覧履歴
      3. デバイス、接続、構成に関するデータ
      4. エラー レポートおよびパフォーマンス データ
      5. トラブルシューティングとヘルプのデータ
      6. ボットの使用状況データ
    2. 関心とお気に入り
    3. コンテンツの使用に関するデータ
    4. 検索とコマンド
    5. 音声データ
    6. 画像
    7. 連絡先と関係
    8. ソーシャル データ
    9. 位置情報データ
    10. その他の入力
  7. 録画または録音
  8. フィードバックと評価

Microsoft のプライバシーに関する声明

Microsoft アカウントを作成しないデメリット

収集されるユーザー情報の多さ・微細さに圧倒されて、Microsoft アカウント は作成しないでおこうと思われた方もいらっしゃるかもしれません。ここで、Microsoft アカウントを作成しないデメリットを確認しておきます。

  1. デバイス間の設定の同期がとれない
  2. Windows ストアアプリが使用できない
  3. オンラインストレージ One Drive が利用できない
  4. 子ども用のアカウント設定・管理ができる
  5. Microsoft 製品の再インストールができない

このうち、もっとも問題なのは、5 の「Microsoft 製品の再インストールができない」です。
他の1 ~ 4 までは多少不便を我慢したり、他社の同様のサービスを利用することで乗り切れますが、5 だけはそうもいきません。
Windows OS や Office 製品をプリインストールしたデバイスを購入した方は、あまりピンと来ないかもしれませんが、トラブルが発生したとき、これらを OS やソフトウエアを再インストールして環境を再構築しなければならない状況はおおいにありうることと認識しておかなければなりません。そんな状況で(たいてい切迫した状況なのですが)、必要なものが揃っていないと、非常に手間がかかり焦ります。大きな時間的なロスと精神的な負担を生じます。
他の点はがまんするとしても、この一点だけでも Microsoft アカウントは作成すべき と筆者は考えます。

Microsoft アカウントに依存するな

多岐にわたるデバイスの使用状況を個人情報に関連付けて蓄積されることに、筆者も不安を感じています。不安の源泉は、Microsoft 社自体、集めた個人情報をご会社やベンダーと共有すると言っている点です。

また弊社は、法律で定められている場合および法的手続きに対応する場合のほか、ユーザーの保護、生命の保護、弊社製品のセキュリティの維持、Microsoft およびお客様の権利と財産の保護に必要な場合、Microsoft が管理する関連会社、子会社、および代理で業務を遂行するベンダーとデータを共有します。

Microsoft のプライバシーに関する声明

「Microsoft およびお客様の権利と財産の保護に必要な場」はいくらでも自社に都合よく解釈されてしまうのではないでしょうか。

ですから、対抗策としては、なるべく個人情報は晒さないこと。
そのために、Microsoft アカウントを使わなくてすむところに関しては、多少不便でも使わないでおく、といった自衛策を取ることをお勧めします。

まとめ

Microsoft アカウントは、Microsoft 製品の再インストールでは必要となるので、予め作成すべきです。ただし、Microsoft 社の個人データ収集範囲は多岐に渡り、それが個人情報と紐づけて蓄積され、しかも子会社やベンダーと共有されるため、Microsoft アカウントに依存するのには不安が付きまといます。
Microsoft アカウントを使わなくてすむところに関しては、多少不便でも使わないでおく、といった自衛策を取ることをお勧めします。


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